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加賀友禅と和菓子 和のコラボ

「加賀五彩」「友禅流し」加賀友禅の魅力を和菓子で表現

加賀友禅イメージの和菓子 今春の北陸新幹線金沢開業で、さらに全国から注目を集める金沢で、またひとつ金沢らしい和菓子が加賀友禅とのコラボで誕生いたしました。加賀染振興協会からの依頼に石川県菓子工業組合が応え、粟森剛理事(金沢市・粟森梅月堂社長)が加賀友禅をイメージした和菓子を完成させました。

 金沢の「加賀友禅」の魅力を、金沢市の加賀友禅プロモーションマネージャーを務める鶴賀雄子さんにお聞きしました。「加賀友禅の魅力は、市場に出回っている型染め以外のものは全て手描きであること。それは自然界を描写し、各々友禅師の個性で、画材の用紙が着物に、加賀五彩(藍、黄土、えんじ、古代紫、草)を用いて描かれる絵画の世界です。花鳥風月や、虫食いなどの特徴がありますが、最近はモダンな柄も多くなりました」着物に描かれる絵画の世界とは魅力的ですね。「各家庭にある絵画は、壁に飾られ固定されたものになってしまいますが、加賀友禅は纏う絵画。掛けて眺めるもよし、着て楽しむもよし。こんなお洒落が出来るのが加賀友禅の魅力であると思います」

 では、今回完成した加賀友禅イメージの和菓子の感想は?「加賀五彩が絶妙、名配分で使われ、上に乗った透明の錦玉は友禅流しが行われる浅野川を連想します。作り手のこだわりが見える、美しい仕上がりになっており、上品な甘さと、色合いは、城下町金沢に相応しい出来になっていると思います。これまで、使用した会合などで大変評判が良く、喜ばれ、さすが金沢と言われております」

 作成にあたった粟森剛さんは「石川県菓子工業組合青年部創立20周年記念事業で、私が青年部金沢支部長(当時)としてお引き受けしました。私なりに加賀友禅について調べ、特徴である加賀五彩の五色をイメージして作りました。五色の練り切りをはり合わせ、中あんを包み丸くしたものに、金箔をちりばめた無色の短冊形の錦玉を巻いた和菓子です。加賀五彩だけでなく、錦玉で浅野川での友禅流しを表現し金沢らしさを強調しました。加賀染振興協会の皆様に喜んでいただき、加賀友禅のイベント会場での実演ではご好評をいただきました。今回ひとつのお菓子作りを通じて多くの人々のご協力をいただき、あらためて自分ひとりでは何もできないと実感するとともに、感謝の気持ちでいっぱいです。これからも加賀友禅の素晴らしさ、そして和菓子の文化を大切に精進していきたいと思います」と語りました。

 加賀友禅小粋な倶楽部の代表、加賀染振興協会加賀友禅スタイリスト、加賀友禅大使も務める鶴賀雄子さんは「日本の民族衣装である着物が、非日常になり寂しさを感じておりましたが、金沢も着物でそぞろ歩きする若者が増え、嬉しく思っております。教育の場や、官公庁でも着物で出勤するなど着物文化の継承への取り組み等活動も広がり、新に興味を持ってくださる方々が増えることは大変喜ばしいことです。また、着物姿で観戦することが多くなった相撲など見ていると、着物業界も仕掛けしていくことで、着物人気が上がると実感している一人です。現に、私の周りでは加賀友禅を格式張ったものとしてではなく、お洒落着として購入し、楽しむ方々が増えていることがとても喜ばしいことです」とこれからの展望を語りました。和の文化同士の交流・コラボは、これからも新しい価値観の創造につながっていくのだと実感いたしました。

 石川県菓子工業組合事業企画委員会・深沢大

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