菓子製品の高度化基準

厚生省収生衛第1133号/農林水産省指令12食流第3633号
平成12年12月22日 認定
厚生労働省発食安0610第1号/農林水産省指令26食産第795号
平成26年6月10日最終変更 認定

菓子製品の高度化基準

1.製造過程の管理の高度化の目標

 事業者は、菓子製品の製造過程にコーデックスガイドラインに示された7原則12手順に沿ったHACCPを適用して製造過程の管理の高度化を図ることとし、このための体制及び施設(建物、機械・装置をいう。以下同じ)の整備を行うこととする。
 まず、高度化基盤整備に取り組んだ上で、HACCPを適用した製造過程の管理の高度化を図るという段階を踏んだ取組を行う場合は、将来的にHACCPに取り組むこと又はこれを検討することを明らかにした上で、高度化基盤整備のための体制及び施設の整備を行うこととする。

(1)対象となる食品の種類

 菓子製品を対象とする。

(2)対象となる食品の製造過程

 菓子製品の製造過程の管理の高度化は、1)生地調整で加熱する菓子、2)生地調整後加熱する菓子、3)加熱後手細工加工等が入る菓子、4)仕上げ(充填・巻き締め)工程後加熱する菓子、5)加熱加工しないあるいは低加熱加工の菓子についての一般的な製造過程を前提として取り組むものとする。
 なお、下記で()は製品の種類によっては必ずしも必要としない工程である。

1)生地調整で加熱する菓子

01_02_01

2)生地調整後加熱する菓子

01_02_02

3)加熱後手細工加工等が入る菓子

01_02_03

4)仕上げ(充填・巻き締め)工程後加熱する菓子

01_02_04

5)加熱加工しないあるいは低加熱加工の菓子

01_02_05

2.製造過程の管理の高度化の内容に関する基準

(1)製造過程の管理の高度化を図るための体制の整備の基準

 以下のコーデックスガイドラインに示された7原則12手順に沿った事項を満たすことが必要である。

①HACCPチームの編成
  • 当該菓子製品及びその製造工程について専門的な知識と技術に基づいてHACCPシステムの導入及びその運用を行うチーム(以下「HACCPチーム」という。)が編成されていること。
  • HACCPチームは以下の業務を行う。
    ⅰ)HACCPプランの作成と導入
    ⅱ)従業員の教育訓練
    ⅲ)HACCPプランの見直しと修正
    ⅳ)検証の実施と評価(技術の効果の検証、システムとしての稼動状況の検証)
②製品についての記述
  • 当該製品についての安全性に関する事項を含む製品情報が明確にされていること。
③意図する用途の特定
  • 当該製品について意図する用途が明確にされていること。
④製造工程一覧図の作成
  • 原材料の受け入れから最終製品の出荷までに至る当該製品の一連の製造工程の流れを記載した製造工程一覧図が作成されていること。
  • 以下に掲げる施設の図面が作成されていること。
    ⅰ)製造工程における製品等の移動の経路を示す図面及び工場内の施設の配置を示す図面
    ⅱ)従業員の動線を示す図面
    ⅲ)清浄度の区分を示す図面
⑤製造工程一覧図の現場での確認
  • 製造工程一覧図の内容が実際の状況と相違しないか確認し、相違点があれば修正することとされていること。
⑥危害要因の分析(原則1)
  • 製造工程一覧図に従って、製造工程ごとに予測できる危害要因がリスト化され、安全な食品を製造するために管理が必要な危害要因を特定し、その管理措置が定められていること。
    具体的には、以下の項目を記載したリストが作成されていること。
    ⅰ)危害の発生する可能性のある原材料又は工程
    ⅱ)各原材料又は工程における危害要因又はその概要
    ⅲ)各原材料又は工程における危害の発生要因
    ⅳ)危害の発生を制御するための管理措置
⑦重要管理点(CCP)の決定(原則2)
  • 危害の発生を防止するため、特に重点的に管理すべき工程が重要管理点として定められていること。
  1. 生地調整で加熱する菓子については、生地調整・加工工程を含めることとする。
  2. 生地調整後加熱する菓子については、加熱工程を含めることとする。
  3. 加熱後手細工加工等が入る菓子については、加熱工程を含めるとともに、非加熱材料を用いる場合には、非加熱材料の受入・保管・洗浄・選別の工程を実情に応じて含めることとする。
  4. 仕上げ(充填・巻き締め)工程後加熱する菓子は、実情に応じて生地調整・加熱工程を含めることとする。
  5. 加熱加工しないあるいは低加熱加工の菓子については、原材料の受入・保管を含めることとする。
⑧管理基準の設定(原則3)
  • 全ての重要管理点に対し、管理基準が設定されていること。
  • 管理基準は、危害要因が許容範囲にまで低減されていることを確認するためのものであり、科学的根拠に基づく数値で、かつ、可能な限りリアルタイムで判断できる指標を用いられていること。
⑨モニタリング方法の設定(原則4)
  • 全ての重要管理点に対し、連続的に又は十分な頻度でモニタリングする方法が設定されていること。
⑩改善措置の設定(原則5)
  • モニタリングの結果、管理基準からの逸脱が判明した場合に管理状況を正常に戻すための改善措置の方法及び逸脱により影響を受けた製品の適切な処分の方法が定められていること。
⑪検証方法の設定(原則6)
  • HACCPシステムが正しく機能しているか否かについての検証方法が定められていること。
⑫文書化及び記録の保持(原則7)
  • 危害要因の分析、重要管理点の決定、管理基準の設定等についての手順が文書化され、また、重要管理点のモニタリング結果、改善措置、実施された検証手順及びその結果等についての記録をし、保存するための体制が定められていること。

(2)製造過程の管理の高度化を図るための施設の整備の基準

(1)の体制の整備に必要となる施設のうち、重要管理点の管理に必要な施設(高度化基盤整備に必要な施設を除く。)の整備の内容が記載されていること。

  • 必要に応じ、加熱工程、冷却工程及び放冷工程の温度及び時間を常時監視し、記録する機械・装置を設置することができる。
  • その他必要に応じ、原材料保管用冷蔵・冷却施設及び放冷施設の室温、前処理の作業施設の室温、包装作業施設の室温、製品保管用冷蔵施設の室温を常時監視し、記録する機械・装置、原材料及び製造過程にある製品の分析装置(例えば、pHメーター、金属探知機等)を設置することができる。

3.高度化基盤整備の内容に関する基準

 菓子製品の製造・加工における高度化基盤整備は次の(1)~(3)に掲げる項目とする。
以下(1)、(2)、(3)の各項目の詳細について別途示す「[一般菓子]高度化基盤整備事項確認項目」、「[洋生菓子]高度化基盤整備事項確認項目」又は「[和菓子]高度化基盤整備事項確認項目」を参照の上、整備・改善に必要となる体制及び施設の整備の内容が記載されていること。

(1)組織の運営に関する項目

①経営者の姿勢に関する事項
②食品衛生責任者等に関する事項
③コンプライアンスに関する事項
④教育等に関する事項
⑤緊急時の対応に関する事項
⑥食品防御対策に関する事項

(2)衛生・品質水準を確保する項目

①製造施設の周辺環境、仕様、管理等に関する事項
②食品取扱装置・設備の仕様、設置、管理等に関する事項
③原材料の受入れ、要件等に関する事項
④食品取扱者の行動等に関する事項
⑤食品の取扱方法に関する事項
⑥製造工程・製品の検査、検査施設に関する事項

(3)消費者の信頼確保のための項目

①製品の情報の管理に関する事項
②トレーサビリティに関する事項
③取引先又は消費者との間での情報の収集及び提供に関する事項

4.その他

(1)輸出先国等が求める衛生管理又は品質管理に関する基準等に対応するための取組

 輸出を実施又は検討している事業者においては、高度化計画又は高度化基盤整備計画を作成するに当たっては、輸出先国等が求める衛生管理又は品質管理の基準等に対応した施設及び体制の整備が計画的に行える内容とすること。

(2)高度化された製造過程の管理についての消費者等への情報提供のための取組

 高度化計画を作成する事業者においては、消費者や取引業者に対し、高度化された製造過程の管理についての情報を提供する取組について、当該計画に記載することが望ましい。 

△このページのトップへ