制度化の全体像

全ての食品等事業者(食品の製造・加工、調理、販売等)が衛生管理計画を作成

◇大規模事業者小規模な営業者等
食品衛生上の危害の発生を防止するために特に重要な工程を管理するための取組
HACCPに基づく衛生管理)
取り扱う食品等の特性に応じた取組
HACCPの考え方を取り入れた衛生管理)
コーデックスのHACCP7原則に基づき、食品等事業者自らが、使用する原材料や製造方法等に応じ、計画を作成し管理を行う。各業界団体が作成する手引書を参考に、簡略化されたアプローチによる衛生管理を行う。

注:対EU、対米国等への輸出対応については、HACCPに基づく衛生管理(ソフトの基準)に加えて、輸入国が求める施設基準や追加的な要件(微生物検査や残留動物薬モニタリングの実施等)に合致する必要がある。(HACCP+α)

営業者が実施すること

①「一般的な衛生管理」及び「HACCPに沿った衛生管理」に関する基準に基づき、衛生管理計画を作成し、従業員に周知・徹底を図る

必要に応じて、清掃・洗浄・消毒や食品の取扱い等について具体的な方法を定めた手順書を作成する

③衛生管理の実施状況を記録し、保存する

④衛生管理計画及び手順書の効果を定期的に(及び工程に変更が生じた際等に)検証し(振り返り)、必要に応じて内容を見直す

(参考)小規模営業者等が実施すること

一般的な衛生管理に関する基準

「食品等事業者が実施すべき管理運営基準に関する指針(ガイドライン)」の内容を踏襲しています。

①食品衛生責任者等の選任
 食品衛生責任者の指定、食品衛生責任者の責務等に関すること

②施設の衛生管理
 施設の清掃、消毒、清潔保持等に関すること

③設備等の衛生管理
 機械器具の洗浄・消毒・整備・清潔保持等に関すること

④使用水等の管理
 水道水又は飲用に適する水の使用、飲用に適する水を使用する場合の年1回以上の水質検査、貯水槽の清掃、殺菌装置・浄水装置の整備等に関すること

⑤ねずみ及び昆虫対策
 年2回以上のねずみ・昆虫の駆除作業、又は、定期的な生息調査等に基づく防除措置に関すること

⑥廃棄物及び排水の取扱い
 廃棄物の保管・廃棄、廃棄物・排水の処理に関すること

⑦食品又は添加物等を取り扱う者の衛生管理
 従事者の健康状態の把握、従事者が下痢・腹痛等の症状を示した場合の判断(病院の受診、食品を取り扱う作業の中止)、従事者の服装・手洗い等に関すること

⑧検食の実施
 弁当、仕出し屋等の大量調理施設における検食の実施に関すること

⑨情報の提供
 製品に関する消費者への情報提供、健康被害又は健康被害につながるおそれが否定できない情報の保健所等への提供等に関すること

⑩回収・廃棄
 製品回収の必要が生じた際の責任体制、消費者への注意喚起、回収の実施方法、保健所等への報告、回収製品の取扱い等に関すること

⑪運搬
 車両・コンテナ等の清掃・消毒、運搬中の温度・湿度・時間の管理等に関すること

⑫販売
 適切な仕入れ量、販売中の製品の温度管理に関すること

⑬教育訓練
 従事者の教育訓練、教育訓練の効果の検証等に関すること

⑭その他
 仕入元、販売先等の記録の作成・保存、製品の自主検査の記録の保存に関すること

HACCPに沿った衛生管理に関する基準

①危害要因の分析
 食品又は添加物の製造、加工、調理、運搬、貯蔵又は販売の工程ごとに、食品衛生上の危害を発生させ得る要因(危害要因)の一覧表を作成し、これらの危害要因を管理するための措置(管理措置)を定めること。

②重要管理点の決定
 ①で特定された危害要因の発生の防止、排除又は許容できる水準にまで低減するために管理措置を講ずることが不可欠な工程を重要管理点として特定すること。

③管理基準の設定
 個々の重要管理点において、危害要因の発生の防止、排除又は許容できる水準にまで低減するための基準(管理基準)を設定すること。

④モニタリング方法の設定
 重要管理点の管理の実施について、連続的または相当な頻度の確認(モニタリング)をするための方法を設定すること。

⑤改善措置の設定
 個々の重要管理点において、モニタリングの結果、管理基準を逸脱したことが判明した場合の改善措置を設定すること。

⑥検証方法の設定
 ①~⑤に規定する措置の内容の効果を、定期的に検証するための手順を定めること。

⑦記録の作成
 営業の規模や業態に応じて、①~⑥に規定する措置の内容に関する書面とその実施の記録を作成すること。

⑧小規模営業者等への弾力的運用
 ※小規模な営業者等は、業界団体が作成し、厚生労働省で確認した手引書に基づいて対応することが可能

注:①~⑦は、コーデックスの HACCP7原則の内容
  12手順のうち、省略された最初の5手順は危害要因の分析を適切に実施するための準備ステップ

小規模な営業者等とは

●食品を製造し、又は加工する営業者であって、食品を製造し、又は加工する施設に併設され、又は隣接した店舗においてその施設で製造し、又は加工した食品の全部または大部分を小売販売するもの(例:菓子の製造販売、豆腐の製造販売、食肉の販売、魚介類の販売 等) 

●飲食店営業又は喫茶店営業を行う者その他の食品を調理する営業者(そうざい製造業、パン製造業(消費期限が概ね5日程度のもの)、学校・病院等の営業以外の集団給食施設、調理機能を有す
る自動販売機を含む)

●容器包装に入れられ、又は容器包装で包まれた食品のみを貯蔵し、運搬し、又は販売する営業者

●食品を分割して容器包装に入れ、又は容器包装で包み小売販売する営業者(例:八百屋、米屋、コーヒーの量り売り 等) 

●食品を製造し、加工し、貯蔵し、販売し、又は処理する営業を行う者のうち、食品等の取扱いに従事する者の数が50人未満である事業場(事務職員等の食品の取扱いに直接従事しない者はカウントしない。例:A工場に食品を直接取り扱う従事者が45人、B店舗に食品を直接取り扱う従事者が10人の場合、それぞれの事業所で50人未満のため、小規模な営業者となります。) 

小規模営業者等が実施すること

小規模営業者等は、業界団体が作成し、厚生労働省が内容を確認した手引書(『HACCP の考え方を取り入れた菓子製造業における衛生管理計画作成の手引書』もこれに当たります。)を参考にして以下の①~⑥の内容を実施していれば、食品衛生法第50条の2第2項の規定に基づき、「営業者は厚生労働省令に定められた基準(一般衛生管理の基準とHACCPに沿った衛生管理の基準)に従い、公衆衛生上必要な措置を定め、これを遵守している」と見なされます。

手引書の解説を読み、自分の業種・業態では、何が危害要因となるかを理解し

手引書のひな型を利用して、衛生管理計画と(必要に応じて)手順書を準備し、

③その内容を従業員に周知し、

手引書の記録様式を利用して、衛生管理の実施状況を記録し、

手引書で推奨された期間、記録を保存し、(菓子の場合、1年間(賞味期限が1年を超える製品がある場合にはそれを考慮した期間))

⑥記録を定期的に振り返り、必要に応じて衛生管理計画や手順書の内容を見直す

留意事項

●今回の HACCPに沿った衛生管理の制度化は、衛生管理の手法(ソフト)に関するものですので、施設や設備(ハード)の新設や変更は必要ありません。

●衛生管理の実施状況については、これまでと同様に、営業許可の更新時や保健所による定期的な立入等の機会に、食品衛生監視員が確認を行います。新しい制度ですので、当面の間は、導入の支援・助言が中心となります。わからない点は食品衛生監視員に相談しながら進めてください。

●第三者認証の取得は義務ではありません。

●罰則の適用については、これまでの制度から変更はありません。通常は、以下のような流れになります。

  • 衛生管理の実施に不備がある場合、まずは口頭や書面での改善指導が行われます。
  • 改善が図られない場合、営業の禁停止等の行政処分が下されることがあります。
  • 行政処分に従わず営業したときは、懲役または罰金に処される可能性があります。

食品衛生責任者の設置について

●営業許可の要不要にかかわらず、原則としてすべての営業者は食品衛生責任者を定めること。

●食品衛生責任者は、次のいずれかに該当する者とすること。

  • 食品衛生監視員・食品衛生管理者の資格要件を満たす者
  • 調理師、製菓衛生師、栄養士、船舶料理士等
  • 都道府県知事等が行う養成講習会(1日6時間程度)等を受講した者

●営業許可業種の食品衛生責任者は、フォローアップのための講習会(実務講習会)を定期的に受講し、新たな知見の習得に努めること。

●食品衛生責任者は、営業者の指示に従い、衛生管理に当たること。また、営業者に対し、必要な意見を述べるよう努めること。営業者は食品衛生責任者の意見を尊重すること。

施行スケジュール

●~令和2年5月末 周知期間
都道府県等における条例等の整備、手引書の整備
平成31年2月 手引書を厚生労働省が確認、4月全菓連傘下全組合員へ配布

●令和2年6月1日 施行 (1年間の経過措置あり) 
営業者は、HACCPに沿った衛生管理の導入を進める。
行政処分等の措置は、旧基準に基づき実施(=現行の基準を遵守できていれば違反とならない)

●令和3年6月1日 完全施行
営業者は、HACCPに沿った衛生管理を実施。
食品衛生監視員は許可の更新時や定期的な立入時等に実施状況を確認する。
小規模営業者等には手引書に沿って助言・指導を行う。

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